i-Vinci TechBlog
株式会社i-Vinciの技術ブログ

今さら聞けないAIの基本用語をやさしく紐解きます!

日々の発見と技術の進化にワクワクが止まらない、FunTechSolution事業部のHwangです。
最近のワクワクは、メタクエスト3を手に入れて、目からウロコの大きなパラダイムシフトを体験しています。

ただ、今回はメタクエストのお話ではなく、ここ最近外してはいけないキーワードとして「AI」です。
生成AI、LLM、ML…これらのキーワードがあちこちで飛び交っていますが、正直なところ、どう違うのか、どうつながっているのか、すっきりと理解できていない方も多いのではないしょうか?(私もそうでした)
自身のインプットを整理する意味もこめて、Blog記事にまとめました。

これらの用語をわかりやすく解説し、みなさんにおいてもAIの世界の扉を開く鍵になればと思います。
この記事を最後まで読めば、AIに関する会話で一歩リードできるようになるでしょう。

まず一つ目、ML(機械学習)ってなんだろう?

ML(Machine Learning)、つまり機械学習は、コンピュータが過去のデータから”学習”して、経験を積み重ねることで自分自身を改善する技術のことを指します。
でも、「データから学習する」とはどういうことでしょうか?実際に、コンピュータがどのようにして”学習”するのか、もう少し簡単に解説します。

想像してみてください。たくさんの写真から「これは猫だ」とか「これは犬だ」と学んでいくことで、新しい写真が猫か犬かを判断できるようになるんです。コンピュータは、大量のデータを分析することで、パターンや規則性を見つけ出し、これをもとに新しいデータに対して予測や判断を下します。この時、コンピュータが見つけたパターンや規則性のことを「モデル」と呼びます。そして、この「モデル」を活用することで、様々な問題に対する答えを出すことができるわけです。

簡単に言えば、機械学習とは、コンピュータに過去のデータから学び、新しい状況や問題に対して自動で適応し、答えを出す能力を持たせる技術のことです。そして、その中でも特に「深層学習(ディープラーニング)」は、人間の脳の仕組みを模倣した、より複雑なパターンを学習できる多層ニューラルネットワークを用いる手法です。大規模言語モデル(LLM)も、この深層学習を基礎として構築されています。

このように、MLはAI技術の中でも特に「学習する能力」に焦点を当てた分野であり、私たちの生活をより便利で賢いものに変える可能性を秘めています。

LLM(大規模言語モデル)って何?

LLMという言葉は最近よく耳にしますね。これは「Large Language Model」の略で、直訳すると「大規模言語モデル」ですが、これが何をいみするのか、もっと身近な言葉で考えてみましょう。

想像してみてください。私たちが日常会話で使う言葉や文章を、コンピュータが理解し、さらには自ら言葉を生成できるようになったらどうでしょうか?それがまさにLLMの役割です。インターネット上の膨大なテキストデータから学習し、自然言語(人が日常使う言葉)を理解し、新しいテキストデータを作り出す能力をコンピュータに持たせること。これにより、人が書いたかのような記事を生成したり、ユーザーの質問に対する答えを見つけ出したり、さまざまな言語への翻訳を行ったりすることができるようになります。

実際に、世界中の多くの企業がそれぞれ独自のLLMを開発し、提供しています。
例えば、

  • OpenAI社は、GPTシリーズ(例:GTP-3, GPT-4)を通じて、文章生成や会話などの能力を提供しています。
  • Google社は、BERTやT5といったモデルで、検索結果の精度を高めたり、文章理解を深めたりしています。
  • Facebookは、BARTを使って、より自然な会話やテキストの要約を実現しています。

これらのモデルは、それぞれ異なるアプローチや特徴を持っていますが、共通しているのは「膨大なデータから学習することで、言語に関する複雑なタスクをこなせるようなる」という点です。

LLMについてイメージ持てたでしょうか?この技術がどのように私たちの生活や仕事を変えていくのか、これからの展開が非常に楽しみですね。

生成AIってどんな技術?

生成AIは、まるで魔法のように新しいコンテンツを生み出すAI技術です。想像力豊かなAIがテキスト、画像、音声といったデータを自ら創造します。この技術の背後には、大規模言語モデル(LLM)のような高度なAIモデルが活躍しています。

例えば、あなたが何か質問を投げかけた時、ChatGPTのようなサービスは、学習した膨大なデータから答えを「生成」し、まるで人間が答えているかのように対話します。またアーティストのように新しい画像を描いたり、作曲家のように新しい曲を作ったりすることも、生成AIの能力の一端です。

言い換えれば、生成AIは新しい「何か」を生み出す能力を持つAI技術の総称で、その用途は無限大です。OpenAI社のChatGPT、Microsoft社のCopilotなどは、私たちが日常的に接する生成AIの具体例であり、これらの技術は急速に進化しており、日々新しい可能性を秘めています。

簡単にいうと、生成AIは私たちの想像力を拡張するツールであり、これまでにない新しいアイデアやコンテンツを可能にする技術です。

AIの世界をもっと身近に

今回ご紹介したML(機械学習)、LLM(大規模言語モデル)、生成AIという3つの概念が少しでも身近に感じられたら嬉しいです。これらの用語はAI技術の異なる側面を表していますが、相互に深く関連しています。
例えば、皆さんに親しまれているChatGPTを見てみましょう。

  • ChatGPT自体は質問に対して答えを生成する「生成AI」の一例です。
  • その心臓部にあたるのが、GPTシリーズなどの「LLM(大規模言語モデル)」。これが複雑な言語タスクをこなします。
  • そして、GPTシリーズを開発する基盤技術が「ML(機械学習)」です。MLはデータから学び、新しい知識を創造する方法論を提供します。
    このように、MLは基礎となる技術であり、LLMはその応用系の一つ、生成AIはこれらの技術を活用して新しいコンテンツを生み出す具体的な製品やサービスを指します。

AIキーワード

AIの技術は日進月歩で進化しており、これらの用語も新しいコンテキストで次々と登場しています。しかし、その根底にあるのは「学習し、理解し、想像する」というAIの基本的な能力です。これらの概念を理解することで、AIのもつ無限の可能性をもっと深く探究できるのではないかと考えています。

ITエンジニアとして見るAI技術への取り組み

ML(機械学習)はその応用範囲が広大で、画像認識、自然言語処理、予測分析、医療診断、株価予測、ロボティクス、音声認識など、幅広い分野に及びます。特にLLM(大規模言語モデル)が注目されている今、AI技術がIT業界だけでなく、あらゆる産業に革新をもたらす時代が訪れていることに、私は大きな期待を寄せています。

私たちITシステムのエンジニアとしての役割は、ただ開発効率を高めることだけではなく、AI技術を活用して、より優れたシステムやサービスの構築を目指し、提案することがますます重要になってくるかと思います。DX推進の背景で、アプリケーション開発からデータ解析、さらにはMLの具体的な実装に至るまで、今後は多角的な総合スキル体制が求められるニーズが高まると感じています。(全部一人でやるという意味ではなく、体制で)

この点で、AWSのようなクラウドサービスは、私たちにとって強力な味方です。例えば、SageMakerを使ったMLモデルの開発や、Bedrockを利用してカスタム生成AIを構築することにより、AI技術の導入における初期コストや学習コストを大幅に削減し、迅速かつ柔軟にプロジェクト推進ができるようになります。

AI技術の展望は、ITエンジニアにとっても大きな飛躍の機会になるはずです。
次回私が担当するBlog記事では、AWSのAIサービスに焦点を当て、解説できればと考えています。(乞うご期待?)
ワクワクするテクノロジーで、ワクワクする社会に〜つなげていきたいですね。