Java Bronze ~ Gold合格までの学習期間、学習方法まとめ
皆さんこんにちは。株式会社i-Vinci ソアテックソリューション事業部のk.aです。
私は入社以来3年半ほど、Javaエンジニアとして大型の金融システムの保守に携わっています。これまで学習の一環としてOracle Java認定資格の取得に取り組んできた結果、何とかBronzeからGoldまで取得することができました。
本記事では、資格取得にあたっての学習期間や使用した教材、学習方法などについて共有できればと思います。
Oracle Java認定資格の取得を検討する方にとって少しでも参考になれば幸いです。
目次
1. Oracle Java認定資格について
Oracle Java認定資格とは
Oracle Java認定資格とは、Oracle社が公式に提供しているJavaプログラマ向けの資格です。
未経験者向けの「Bronze」、開発初心者向けの「Silver」、中上級者向けの「Gold」と3段階のレベルに分かれています。資格の概要については以下の公式サイトをご確認ください。Javaのバージョンごとに試験が提供されていて、2020年12月時点の最新での最新のバージョンはSE11です。
Java SE 11 認定資格
※ 筆者はJava SE 8を取得しました。
また、以前はSilver以降は会場受験が必須でしたが、コロナ禍の影響でBronzeからGoldまでリモート受験が可能になったようです。
オラクル認定試験のオンライン試験 (監督付き) での受験が可能になりました
※ 再受験無料キャンペーンのお知らせなどがあるので、上記のブログはたまに確認することをおすすめします。
試験問題
択一式の試験で、プログラムの実行結果を問う問題が主に出題されます。
SilverとGoldについてはサンプル問題が無料公開されておりますので、興味のある方は御覧ください。
サンプル問題
※「Java SE 8 Programmer I」がSilver、「Java SE 8 Programmer II」がGoldです。
2.学習期間について
学習期間
資格 | 学習開始 | 受験日 | 得点率 | 学習開始時点の前提知識 |
---|---|---|---|---|
Bronze | 2017年10月 | 2018年2月4日 | 71% | 初学者向けの文法書を軽く読み、ProgateのJavaのコースを終えた程度 |
Silver | 2018年2月 | 2018年6月2日 | 85% | Bronzeと試験範囲が被るため、ある程度の前提知識あり |
Gold | 2020年1月 | 2020年5月30日 | 82% | 試験範囲について概要程度の知識あり(Java5以降の実務経験なし) |
いずれの試験も約4ヶ月程度の学習で運良く一発合格できました。BronzeやSilverは1ヶ月程度の学習で受かったという体験談も割と見かけるので、学習期間は比較的長めの方かもしれません。
ベンダー資格で受験料も安くはないので、自身の前提知識や時間的余裕などを考慮して無理のない計画を立てることをおすすめします。
学習の内訳
期間 | 学習内容 | 学習時間 |
---|---|---|
学習開始〜3ヶ月 | 参考書を使ったインプット、問題演習 | 平日1〜1.5h、休日2〜3h |
3ヶ月〜 | ひたすら模擬試験を解く | 平日1〜1.5h、休日4〜5h |
学習の進め方としては、1週間単位で到達目標を決めて、平日の進捗が悪かった場合は休日にリカバリするようにしていました。
よく言われる話ですが、社会人になると平日はどうしても学習時間が限られてしまうので、通勤時など机に向かう時間以外で学習する習慣を持てると強いです。
筆者は入浴時に読書をする習慣があったので、帰宅が遅くなった日は湯船に浸かりながら問題集を解いたりしていました。
3.使用した教材、学習方法について
使用した教材
- Bronze 〜 Silver
- 参考書
- 問題集
- Gold
※ 2021年1月時点での最新版(問題集なら最新バージョンの試験に対応したもの)のリンクを掲載しています。
※ Goldの問題集は、現時点でSE 11に対応したものは未発売ですので、今後購入される前に出版状況をご確認下さい。
Java初学者にとっては定番かと思いますが、「スッキリわかる〜」シリーズは会話調で噛み砕いた説明がとても理解しやすいです。Goldの段階になってくると、試験範囲を網羅的かつ分かりやすく解説した様な書籍は現状見当たりません。
参考書1冊に頼るというよりも、ネットで解説記事を調べたり、APIリファレンスを参照したりしてインプットしていくことが必要になってきます。
また、問題集は各試験とも黒本だけを使用しましたが、この1冊を何度も繰り返し解くことで十分合格できました。
高得点を目指すのであれば他の問題集も解くべきですが、そこそこの点数で無難に合格できれば良いというのであれば黒本のみで問題ありません。
学習方法
- 前提
どの試験でも合格の鍵となるのは過去問の習熟度です。本試験では模擬試験に類似した問題が結構な割合で出題されます。
黒本は紙面とWebで合計2回分の模擬試験が受験可能なので、反射的に解けるくらいまで繰り返し演習することをおすすめします。
目安として、模擬試験の正答率が安定して9割を超えるようであれば合格の期待大です。 - Bronze 〜 Silver
BronzeとSilverについては、まず参考書を読んで、次に対応する試験範囲の過去問を解いていく定番の学習法で問題なく対応できました。
出題内容としては、細かい暗記よりも基本文法やオブジェクト指向の基礎について理解できていれば対応できる問題がほとんどです。
筆者の場合、当時はプログラミング自体の経験が浅かったので、問題のプログラムを見ても頭の中で処理の流れをイメージしきれないことがよくありました。
その際、EclipseなどのIDEを使ってプログラムをステップ実行したり、フローチャートを作ってみたりすることで次第に処理の流れをイメージできるようになりました。 - Gold
Goldの場合は、Java8の新機能(ラムダ式、StreamAPI)が主要な論点で、他にも並行処理などのSilverまでには無い高度な言語仕様が出題範囲となります。
出題内容としては、各APIごとに用意されているメソッドについて、それぞれの使い方や機能の違いについてかなり細かい知識が問われます。
筆者の場合、参考書やネットの記事などを読んだ後に逆引き辞典のソースコードを写経していくことで、実際に手を動かしながら知識を定着させていきました。
学習当初はラムダ式の独特な記法や覚えるべき関数型インタフェースの多さに辟易しましたが、繰り返し書くことで次第に整理することができました。
4.本試験受験にあたって
本試験の問題は模擬試験とほぼ一緒
繰り返しになりますが、合格の鍵は模擬試験の習熟度です。
黒本の模擬試験で9割以上取れる状態であれば、本試験の問題の多くは一度は見たことがあるような感じになるのでそこまで心配は要りません。
模擬試験の演習の中で繰り返し間違えた問題をリスト化しておき、試験の前日や当日に確認しておけば対策としては万全です。
写真撮影(会場受験)
筆者はSilverとGoldを会場受験しましたが、その経験上、当日の試験の出来よりも心配しておくべきなのは写真撮影です。
会場に到着し書類の記入と身分証の提示が終わると、どこを見れば良いのか分からない小型のカメラであっという間に撮影されてしまいます。
撮影した写真は試験結果を確認するWebページにしっかりとアップロードされ、その後新たに試験を受けても更新されることなく残り続けます。
会場に到着したら間違っても受付に直行せず、まずは御手洗いに向かいましょう。
5.最後に
当然といえば当然ですが、Goldを取得できたからといってJavaを自由自在に使いこなせるようになる訳ではありません。
ただ、あくまでゴールではなくマイルストーンの1つとして考えれば、資格取得も有効な学習手段の1つになり得るのではないでしょうか。
今後Java以外の様々な技術を学んでいく上でも、資格取得を積極的に取り入れていきたいと思います。